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子育てと仕事

私には8才の娘がいます。
娘の誕生前と誕生後では生活も趣味嗜好もずいぶんと変わりました。

私が娘を出産したのは31歳の時でした。
介護の会社で事業責任者も経験させてもらい、仕事が楽しくて仕方ありませんでした。
マネジメント経験もそれなりにありましたので、正直なところ
「皆がやってるんだから子育てなんて余裕でしょ」
と心のどこかで思っていたんですよね。

それが、出産してから何もかもがうまくいかない事の連続。
育児休業をいただき、子どもが1歳前に復帰したのですが、子どもも初めての保育園でいろんな菌に触れ、約2か月は半分程度しか出勤できず・・・。

「この案件もらいますよ、できますんで!」と言った傍から保育園からの呼び出し。
仕事を飛ばす、他の人に迷惑を掛ける事がデフォルトだなんて思いもしませんでした。

そして始まる登園拒否。
お着替えしたくない、ご飯食べない、保育園行かない。
パジャマのままバナナを握らせてチャイルドシートに押し込んで保育園に連れていく日々がありました。
でも、パパがいる日はすんなり行けるんですよね。
だからパパとは苦労を分かち合えない。なかなか苦しい時期でした。

あまりに激しい抵抗に合い、仕事に遅刻した事もありました。
それが却って「役に立たなければ!」という意地で仕事に取り組んだような気もします。

その後色んなタイミングが重なり、結果的に自分ひとりで仕事をするというスタイルを選びました。
子育てのあらゆる事態に備えるためには、
場所、時間が決まっている仕事をし続ける事は難しいという自分なりの結論でした。
それでも私は仕事を通じて介護業界の役に立ちたいし、社会と繋がっていたいし、
収入だってそれなりに得ないと娘の可能性をつぶしてしまうかもしれません。

仕事はしたい、子育てもしたい、それができる環境、どこにあるんでしょうか?
私は見つけられずに自分で作りました。
でももし時間とお金にもう少しだけでも猶予が無ければそれは叶いませんでした。
その人それぞれの事情の中で「無ければ作ればいいじゃん」ではどうしようもない事が多い事も知っています。
私だって絶対大丈夫ではないし、もしもの時の代替案は常に考えているつもりです。

結果的にその後コロナが始まり、更に働く親御さんの負担は計り知れないものだったと思います。
「子どもの対応があるから仕方ないよね。」
と休ませてくれる会社であったとしても、それは会社としての意見で
誰かにそのしわ寄せがあると思うと休む親自身も休まれる同僚もしんどいですよね。

昔だったらおじいちゃんおばあちゃんが見ててくれるから仕事を優先する事ができました。
でも今はそれができないし、近所付き合いも希薄で他人に気軽に助けてもらえるような環境でもありません。

この10月から101名以上の会社の社会保険適用要件が下がり、今まで社会保険に加入していなかったパートさんも今まで通りの働き方だと社会保険の加入義務があるようなケースも出てきました。
結果どうなるかというと「社会保険に入らなくて良いように出勤日数を減らしたい」という声が上がっています。

これは、社会保険に入る事の金銭的な負担もさることながら、
前述のような責任を避けるためという事もあるんじゃないかと。

方向性は違えども、私と同じように子育てをしながらフル勤務で仕事の責任を果たし続ける事が
もはや不可能だから責任の少ない、替えのきく人員としての働きに抑えたいと思ってしまうという事もあるのかなぁ。と。

日本人の3大義務は?と20代後半の頃研修で聞かれて「勤労、納税、あとひとつは・・・」と
答えられませんでした。
働くこと、税金を納めること、そして子どもを教育すること。
これらは全国民の義務であると同時に、未来に向けてやらなければならない事です。

子どもは皆で育て、働ける人は思いっきり働いて、その分税金を納める。
日本がまた元気を取り戻す鍵はそこじゃないかなぁとそんな事をぼんやり考えています。

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