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介護分野のテクノロジー

今回はちょっと素敵なお話を聞いたので、珍しくリアルタイムの話です。

先日、とある場所で株式会社aba代表取締役の宇井吉美さんのお話を聞く機会があった。

株式会社abaさんが何をやっている会社かと言うと、何やら福祉に関するテクノロジーの開発をしていて、「ヘルプパッド」という製品を開発した会社さん。

ヘルプパッドとは、おむつをつけた方がそれを敷いたベッド上で排泄をすると、そのにおいを察知して排泄があった事を教えてくれるという製品。

「技術者は現場の事を分かっていない」という新聞記事を紹介し、謝罪をする宇井さん。彼女は小規模多機能の現場で高齢者介護を実際に行い、何が今必要なのか、という事を考えた上で製品開発を行っていた。

製品開発のため、宇井さんはオムツをしたまま排泄をするだけに飽き足らず、オムツ交換を知り合いのベテラン介護士にしてもらうという経験もしたそうだ。
上手い人からされるがままに交換してもらう事で、その方への絶対的な信頼感や全てを委ねるような気持ちになったという。

正に飽くなき探求心。。。

その上で、オムツ交換をするという行為自体を変えるのではなく、そのタイミングの把握やいわゆる「空振り」を無くすという方向に考えていった。

天才。

で、宇井さんの話を聞きながらこんな事を思い出した。
「自動排泄処理装置」なるものを初めて知った時、ただただ関心する私に介護の大先輩の熱い男Kさんが「こんなの、使いたくないですよ。俺だったら嫌ですよ」とムキになって怒っていた事。

それは、日々高齢者にどっぷり感情移入して過ごしてきたKさんの、また、多くの熱心な介護スタッフさんの感覚なんだろう。
きっとそれが言葉には出せない、出さない、オムツを履かざるを得ない人達の感覚に一番近い。

でも現実問題として介護人口は圧倒的に足りない。
マンパワーだけに頼っていると崩壊してしまう。
テクノロジーに出来る事の中で、テクノロジーが介入すべきところはどこだろう?
人間にしかできない事、人間にして欲しい事ってどこだろう?

人間は、意思があって感情があって、他者との関わりの中で生きていられる社会的動物だ。
ただ、楽になればOK、でないのは当然で。

人が人を介護する。
テクノロジーは、それを手伝ってくれる、仲間である。

なんというか、未来の福祉がちょっとだけ想像できたような、そんな素晴らしいお話だったので勝手に感想文でした!

詳しくは株式会社abaさんのHPをご覧ください。

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