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就労支援事業所見学

先日書かせていただきましたが、特別支援学校での出前授業講師をさせていただくことになりました。
そうなってくると就労先候補となる環境は知っておきたいのですがこのご時世もあり、ブログに「見学したいけどちょっと難しいかなぁ」と書きました。

すると早速ある社長さんよりご縁を繋いでいただきまして、神奈川県にある就労支援A型、B型共に見学させていただくことができました。感謝です!

ここでおさらいです。
就労支援A型は、ご利用者と雇用関係を結ぶため雇用主には最低賃金以上の支払い義務が生じます。

就労支援B型は、一般企業やA型で勤務するのが難しい方でも働く機会と居場所を提供するという場です。
給与ではなく、工賃という形で一ヶ月に数千円~3万円程度の報酬が支払われます。
しかしながら利用料が応能負担で発生するため、(ほとんどは負担0ですが)世帯収入が高い方だと工賃を利用料が上回ってしまうために利用を辞退されるケースもあるのだとか。

どちらも事業収入の他に障害福祉サービスの就労継続支援給付として1日1人当たり数千円の収入になり、
安定的に収益を得やすいと思われるためか事業所数も年々増加の一途をたどっています。
但し近年は経営破綻をする事業所も増えてきました。

お話を伺った経営者の方はそれぞれの苦労もお話しくださいました。
A型の事業所では、ご利用者は比較的集まりやすいそうですが半面仕事の受注に苦労をされるそうです。
そのため大きな会社さんと連携しながらやっている事業所さんが多いとか。
法定雇用率の引き上げにより障害者の直接雇用を進める企業も増えた事で、仕事の受注が更に困難になってきているとの事。

B型の事業所は逆にご利用者が集まりづらい事と、集まったご利用者に対して提供できる仕事を考えるところに苦労があるそうです。
言われてみれば本当に当たり前の事なのですが、どんな人でも仕事への向き不向きがあります。
例えば私は黙々とPC入力をするような仕事は特に苦になりませんが、美的センスを問われるような仕事は全く向いていないと自覚しています。
逆に私の旦那さんは建設の仕事をしていて部品のオーダー時にはフリーハンドで複雑な立体図を書いていますが、
単調な入力作業を任せたら1時間でPCを物理的に壊してしまうかもしれません。笑

なので、事業所として一つの事に特化してそれに興味があるご利用者が集まってくれるのを待つか、
もしくは集まったご利用者に対してハマる仕事を作り出すか、という2択のようです。

今回のご訪問で障害者の就労という事に対しての全体像や業界の課題について少し見えてきました。
福祉ビジネス、というとどうしても嫌なイメージが付きまといますがそうではなくて、
継続して福祉を提供していくためには利益を確保しないと続けられない、という事だと思います。
だからこそ、政府も民間の力を活用していきたいと考えているのでしょうから。

今回お話を伺った経営者さんは福祉への想いとビジネス感覚を両立されているとても素晴らしい方でした。
論語と算盤、福祉と利益。バランス感覚が重要ですね。

特別支援学校での授業については更に地域の現状を把握してから伺えるようにまだまだ勉強中ですが、
第一歩目としては大きな一歩を踏み出させていただきました。
周囲の方へ感謝です!ありがとうございました!

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