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労務管理地方研修会を受講して 

3月11日(木)にオンラインで行われた社労士連合会による関東甲信越地域協議会令和2年度労務管理地方研修会にて自民党参議院議員の自見はなこ先生による「デジタル強靭化社会の推進と働き方改革における社労士への期待」という基調講演を拝聴しました。

色々なお話があったのですが、特に興味があった事項をいくつか述べさせていただきます。

まず一つ目は、社会保障に係る資格におけるマイナンバー制度の利活用についてというお話がありました。
これによると、医師・看護師・介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員・保育士等々の医療介護に関わる資格に社会保険労務士を含めた、社会保障の給付に関わる資格、31資格についてマイナンバーカードを資格証として利用できるようにするということです。
これにより、例えば資格取得の時に住民票等の提出が不要になり、死亡した場合には登録抹消まで自動で行う事ができるようになります。

メリットとしてその他にも、例えば一定地域の看護師の有資格者の把握ができ潜在看護師の掘り起こしに利用できる、今存在するような130才の栄養士など明らかな手続き漏れについてもキャッチできるようになる、医師等の電子手続きの本人確認に使える、などのお話がありました。

これを、医師、看護師だけにとどまらず、介護関連資格や保育士なども含んだところが今後の利用方法の発展を予感させます。

二つ目は医師の働き方改革について。
通常の労働者は労働基準法で残業の上限が決められている。一ヶ月45時間、一年間で360時間で、特別条項つきの場合でも1か月100時間(年6回まで)、1年間で720時間までとなっています。

しかし、医師の場合は上限規制から除外されており、現在検討が進められているのだが、現段階での年間残業上限時間を聞いて驚きました。
病院の実態によりA・B・Cの3種類に分け、2024年かられぞれの上限規制が使われるとの事ですが、Aの病院で年間960時間、B・Cの病院に至ってはは年間1,860時間が上限になるそうです。

え、1860時間って、12か月で割っても155時間。過労死ラインを越えていますが。

しかもまだ、どうやって勤務時間を把握するか問題ですったもんだしているそうで、本当に2021年の話をしているのだろうかと不思議な気持ちで聞いていました。
その背景としては、医師は研究者であり、自分たちが労働者であるという意識があまり無い事が挙げられていました。

そういわれると、なるほどと納得する部分もありましたが、医師だって人間です。無理をすれば心身ともに疲弊します。

自見はなこ先生は自らも小児科医として勤務をされた経験もおありとの事で、現場の空気感を理解しながら改革を進めていく中心となって動いていらっしゃるようで、とても印象深いお話でした。

他にも、女性の社会進出が出生率を上げる(下げるではない)というお話や、未来への投資に国はもっと予算を割かなければならないというお話など、今まであまり政治に興味を持てなかった私でもわかりやすく、身近な問題として感じる事が出来ました。

労務管理研修という枠に収まらず、国の未来について考えるきっかけにもなり、大変有意義な時間を過ごす事が出来ました。

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