前半はこちら。
困った私は、結局生活保護を担当している福祉事務所に相談に行きました。
ケースワーカーさんはとても親身になってくださり、ご本人には引き続き介護サービスが必要だという前提の上で毎月の生活保護費の中から直接天引きをして支払いをしようという提案をしてくれました。
「ただ条件がありまして・・・」
ここまでしてくれて聞かないわけがありません。生活保護費を直接受給者以外の口座へ振り込むわけにはいかないので、直接受け取りに来てほしいとの事でした。そんなの容易い御用です。
そしてご本人たちとの話し合いを経て、今後の利用料の他に滞納分は月に1万円を分割で支払っていくという事になりました。
という事で、毎月生活保護費の支給日に窓口へ受け取りに行く事が決まり、次の月の支給日。
ようやく回収できると意気揚々と向かった私は到着して驚きました。
福祉事務所前の廊下に人だかり。
高齢者や障がい者に混ざって中にはどう見てもチンピラみたいな方(失礼!)もちらほらと。
ここで待つのね・・・
まだ20代だった私は初回こそ生きた心地がしませんでしたが、3回目くらいからは並びながら歯の無いおじさま方と雑談できるまでに成長しました。
結局その後私はそのデイサービスの管理者を次の人に任せて本社へ異動することになったので事業所に残るスタッフ(男性)にこの受け取り業務を引き継いだのですが、並んでいるイケイケのおじいちゃんに「おう、〇〇デイサービスさん!」と話しかけられる私を見て茫然としていました笑。
生活保護費をご本人に渡す前に直接事業者に渡す、という対応が正しいのかどうかは分かりませんし、今でも可能かどうかも分かりません。
ただその方の場合には色々な事情も重なってそういった対応を取っていただいた事をとても感謝しています。
生活保護については、不正受給が後を絶たなかったり、逆に必要な人に行き渡らなかったりと批判もありますが現場のケースワーカーさんは頑張っているよ!という事がその時にとても良くわかりました。
悪いのは制度を悪用する側ですが、例えばその内縁のご主人だってもしかしたら働きたいけど働けなくて酒浸りになっていたのかもしれないし、そもそも医療の助けが必要なアルコールやギャンブルの中毒患者だったのかもしれません。
そう考えると、単純に保護費を打ち切れば済む話でもなくなります。
ご利用されていた女性にしたって、成年後見や自立支援事業を利用すれば良いのではと考えたところでご本人の意思で内縁の男性に任せているのですからなかなか難しいところです。
こうした困難に常日頃立ち向かっていらっしゃる福祉事務所のケースワーカーさんのお話を聞く機会があったら勉強になりそうですね。
コロナ禍での対応は益々大変な事だろうと思います。本当に、頭の下がる思いです。
落ち着いたらお話を聞かせていただけないか聞きに行ってみようかな。