これもデイサービスで管理者をしていた時の話です。(例によって一部脚色しています)
高齢者向けのデイサービスの利用料はご利用者の介護度や事業所のある地域、事業所の体制などによって違いますが、定員19名未満のデイサービスではざっくり1日1万円くらい。(本当は±4,000円くらいのばらつきがあります)
そのうちの7割~9割(所得要件により変動)は介護保険から支払われ(国民健康保険団体連合会へ請求)残りの1割~3割と食費やその他自費サービス分をご本人へ請求します。
ご本人へ、と言っても金銭管理はご家族がされている事も多いのですが。
そこで問題になってくるのが、ご本人請求分の未払いへの対応です。
私が勤めているデイサービスでは基本的に口座引き落としでご依頼をしていましたが、引き落としが出来ない事も良くありました。
中でも一番苦労したのが、ご利用者本人は女性の方で、キーパーソンが内縁関係とされる男性だったケース。
生活保護を受給してお二人で生活しておられ、口座を持っていないからと現金払いをご希望されたものの、一度も払う事なく3か月経過。
ちなみに生活保護の介護扶助という仕組みで1割負担分もまかなわれるため、生活保護受給の方に対しては自費部分のみのご請求となります。なのでそんなに大きな金額ではないのですが、食事の他に自費サービスでのご利用もあり月に3万円程度になっていました。
一応、3か月の未払で利用停止という契約になっていたものの、ご自宅で十分な食事や衛生環境が確保されない事は明白で、なかなか難しい判断でした。
ご利用者に元気になってもらおう、少しでも心を開いてもらおうと頑張っているスタッフに対して、「滞納しているから明日から迎えに行かないで」と言うのは大変辛い事です。
一般サービス業の方からはなかなか理解しがたいでしょうが、それが福祉の肌感覚だと思います。
となると、私がすべき事はただ一つ。何とかしてお金を払ってもらうこと。
内縁の男性は基本的に昼間は外出しているか、酔っ払って寝ていて、支払いの意思が全く見えませんでした。
ご本人は認知症が進行しており、金銭管理(管理できていないのだけれど)は全て内縁の男性が行っています。
ケアマネジャーに相談してみても、なかなか進展しません。
ちなみに介護保険の仕組みの中でケアマネジャーはその方のケアプランの作成や各種サービスの手配などが主な仕事ですが、報酬は全額介護保険から支払われるためご本人への請求はありません。
そのためかどうかは分かりませんが大変残念ながらケアマネジャーもあまり真剣に取り合ってはくれませんでした。
困った私は・・・
長くなりましたので後半につづきます。