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処遇改善加算と最低賃金

先日、ある介護事業所の代表者様よりご質問をいただきました。

「パートさんの時給で基本給950円、処遇改善加算分で100円にして、時給1050円を支払ってるんだけど、
 千葉県の最低賃金が上がって953円になったからこのままじゃダメなんだよね?」

この質問の答えは平成30.8.6の事務連絡「介護保険最新情報vol.675」にあります。

【介護職員処遇改善加算】
○ 最低賃金の計算について
問7 最低賃金を満たしているのかを計算するにあたっては、介護職員処遇改善加算によ
り得た加算額を最低賃金額と比較する賃金に含めることとなるのか。
(答)
介護職員処遇改善加算により得た加算額を、最低賃金額と比較する賃金に含むか否か
については、当該加算額が、臨時に支払われる賃金や賞与等として支払われておらず、
予定し得る通常の賃金として、毎月労働者に支払われているような場合には、最低賃金
額と比較する賃金に含めることとなるが、当該加算の目的等を踏まえ、最低賃金を満た
した上で、賃金の引上げを行っていただくことが望ましい。

つまり、結論としては「そのままで問題ない」です。

時給の一部として「予定し得る通常の賃金として毎月労働者に支払われている」のであれば、
これは最低賃金を考える上で「一時間当たりの給与」に該当します。

処遇改善加算の取得に関して、兵庫県が出している資料がとても良かったのでご紹介します。

29ページを見てみると、処遇改善は基本給で実施することが望ましいとされていることに言及したのち、考え方の例示のひとつめに下記の記載があります。

ひとつめは、最低賃金上昇への対策です。最低賃金が上がれば、賃金改善についても全体
を底上げする必要性があります(言うまでもありませんが、最低賃金を下回ると違法になり
ます)。近年、最低賃金は上昇傾向にあるため、非常勤職員、パート職員のみならず、正規職
員の賃金にも当然影響してきます。したがって、処遇改善加算による昇給原資をこのような
正規職員・非常勤職員を含めた全体の賃金ベースのアップに使うという選択肢も有力です。

処遇改善加算を、全額賞与で支払っているという方法も割とよく聞きます。
最大のメリットは事務の手間が楽であることなので、それぞれの法人の考え方次第かと思いますが、
少し手間をかけて時給を上げる原資にすることも十分可能です。

処遇改善加算の使い方はせっかく事業所に裁量権がありますので、
その事業所さんに最適な配分方法でスタッフさんへ還元できると良いですね。

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