ブログ

健康診断について

先日の介護研究会にて話題になりましたので整理しておこうと思います。
ある会社さんから、「(介護保険上)無資格のスタッフも健康診断しなくちゃいけないの?」
という質問があったそうで話題になりました。

定期健康診断は労働安全衛生法上で事業者の義務として定められています。
介護保険法とは関係が無いので、資格の有無や職種の条件は問題になりません。
今回は定期健診についてまとめてみたいと思います。

【対象者】
常時使用する労働者
正社員のみでなく、下記の要件をいずれも満たしたパート・アルバイト等も含まれる。
①期間の定めのない労働契約により使用される者のほか、期間の定めがある労働契約により使用される者であっても1年以上使用されることが予定されている者
②一週間の労働時間がその事業場の同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上であるもの。なお、概ね2分の1以上である者については、行う事が望ましいとされている。

つまり、実務的には雇用保険加入ラインか社会保険加入ライン以上の方に対して実施する必要があるという事です。

【頻度】
基本的には一年に一回です。
福祉業界では夜勤がある場合がありますので、平均して月に4回程度の深夜勤務がある場合には特定業務の対象となり、6か月ごとに一回健康診断を行う必要があります。

【費用負担】
法で事業者に義務を課している以上、当然事業者が負担すべき
介護施設でも例えば老健などだと自分の施設内で行う事ができます。
その場合には、他の機関での受診を希望する従業員に対しては、審査結果の提出を義務付けて費用は自己負担とするという例外を設ける事も出来ます。
ただし原則としては事業者が負担しなければなりません。

なお、定期健康診断で所見ありになった再検査代などは特に法による定めはありませんので、
労使間で任意決定する事が出来ます。

【賃金について】
検診を受けている間の賃金については
「労働者の健康の確保は事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを踏まえ、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましい」
とされています。

【受診方法】
協会けんぽへ加入の場合、毎年「生活習慣病予防検診」のご案内が送られてきます。
35才から74才の被保険者が一覧表で送られてきて、補助を受ける事が出来ます。
令和3年度の自己負担額は最高7,169円となっています。
生活習慣病予防検診が受けられる病院は協会けんぽのHPに掲載されていますので、会社の担当者の方が直接連絡を入れて申し込みます。

では、34才以下の方はどうしたら良いのでしょうか?
実は、労働安全衛生法で定められている検査項目は生活習慣病予防検診の項目よりも少ないものです。
34才以下の方についても定期健診の対応が可能なクリニックを探して直接申し込みをする事が出来ます。
この場合の費用はクリニックによって異なりますが、安いところで4000円程度から10,000円くらいまでが相場のようです。

ついつい手が回らなかったり、後回しにしてしまいがちな健康診断ですが、
大切なスタッフの健康管理は事業者にとっても大切な仕事ですね。忘れず実施しましょう。

PAGE TOP