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労働保険の年度更新手続き

今日は実務のお話です。
労働保険の年度更新手続きの時期が今年もやってまいりました。

5月末~6月初旬に労働局から緑色の封筒が各会社様へ届きます。
「労働保険料・一般拠出金 申告書在中 ~至急開封してください~」と書いてあります。
これは言うなれば、労働保険料(労災保険・雇用保険)における確定申告書類のようなものです。

社会保険料(厚生年金・健康保険料)は、毎月社員給与から控除して、毎月日本年金機構へ払っています。
これに比べて、労働保険料は1年分をまとめて支払う(分割もあります)仕組みになっています。
今日はこの労働保険料の仕組みについてご説明してみたいと思います。

面倒だと思う経営者さんは、この先は読まずにご連絡いただければ手続き代理承ります!笑

まず、労働者を雇い入れて労働保険に加入した際には次の3月までにかかるであろう給与を計算して、
それに応じた労働保険料を前払いすることになっています。
かかるであろう給与の計算なので、実際には残業があったり、新たに人を採用したり、逆に退職してしまったりと変動があるのが普通です。

そこで、年に一回の「年度更新」で、実際に支払った給与を計算して、過不足を精算する事になっています。
実際に支払った給与から計算した保険料が「確定保険料」となります。

ここまでは単純なのですが、もう一つの手続きを合わせて行う事で理解が難しくなっています。
例えば今年の年度更新で行うのは、2020年度の確定保険料と、2021年度の「概算保険料」の計算です。
2021年度の概算保険料とは、はじめて労働保険に加入した時に行ったのと同じく、
4月から次の3月までに支払うであろう給与を計算する事です。

例えば、2020年度は予定で計算して2万円の概算保険料を支払っていたけど、確定保険料は3万円だった場合。
2021年度もだいたい同じくらいのお給料を払う予定だったら、2021年度の概算保険料の3万円に
2020年の確定保険料の不足分1万円を追加して合計4万円を支払う事になります。

逆に、2020年度は予定で4万円支払っていたけど、確定保険料は3万円だった場合。
2021年度もだいたい同じくらいのお給料を払う予定だったら、2021年度の概算保険料の3万円から
2020年度に払いすぎた1万円を引いて合計2万円を支払います。
(一旦1万円を返してもらう事もできますが、面倒なのでこうする事が多いです)

支払いについては、支払う額が40万円を超える場合には3回に分割して納付する事ができます。
ちなみに、40万円を超えるのは一般の業種でだいたい年間給与が4000万円を超えてから。
但し業種によって変動します。
例えばトンネルを新しく作る工事をしている建設業だと2200万円を超えると40万円を超える可能性が出てきます。
労災保険料率や雇用保険料率は業種ごとに定められているので注意が必要です。

あと、すごぉく細かい事なのですが納付書に金額を書く時の注意点。
金額の前に円マークを付ける事になっているのですが、「¥」と書くと受け付けてもらえません。
「Y」に合わせて書くのは「=」ではなくて「ー」です。
二本線を引いてしまったら、新しい用紙に全部書き直しになりますのでご注意ください。

これは労働局の機械が¥を読み取れないからなんだそう・・・
と、2005年の記事に書いてありました。16年前。嘘でしょ労働局さん。
昨年受けた事務指定講習でうっかり「¥」マークを書いて×になってたので今も現役ルールのようです。

面倒な決まりも多いですが、そのまま放置していると大変な事になります。
延滞金が発生したり、万一の労災事故の時に40%場合によっては100%会社負担額となったり、助成金が受けられなくなったり・・・・
ギリギリになって慌てないよう、余裕を持って納付しましょう。

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