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令和4年度年金額改定について

令和4年度の年金額について1月21日に発表されたので取り上げておきたいと思います。

『年金額は昨年度から 0.4%の引き下げです』
ほらね、やっぱり。
どんどん下がって、現役世代が65歳を過ぎる頃には年金なんてなくなるんでしょ?

先の事は私も分かりませんが、なんで0.4%下がったかというとちゃんと理由があるんです。
今回はこの資料を解説していきたいと思います。

もらえる額がなんで下がるのか?
一つは平均寿命が延びている事と、年金を払う人が減っている事、つまり少子高齢化が理由です。
少子高齢化が進んでいるのに、男性の平均寿命は65歳だった頃の制度をそのまま維持できるはずがありません。
なので、これからも長く続けていけるように調整するために現在は毎年-0.3%の調整率が決められています。

でも今年に関していえば、年金額の引き下げに少子高齢化は関係ありませんでした。

では何が原因で年金額が下がるのかというと、物価と賃金の減少です。
物価と賃金は基本的には社会の成熟と共に上昇するものと考えられていますが、
令和3年の結果(賃金は前3年の結果)はいずれも減少でした。
言うまでもなく、新型コロナの影響が大きいのですが日本は「失われた30年」と揶揄されるように
経済が思うように発展していないことも大きな理由の一つです。

物価が下がるという事は、同じお金でたくさんのものが買えるようになるということです。
今年に関していえば日本の物価や賃金が下がったので、
「そんなにお金いらないでしょ」ということになり、年金額も引き下げられたという事です。

物価も年金額が減った年には、少子高齢化の-0.3%は翌年以降に持ち越す事になっています。
年金額が急に減るのを回避するようにルールが決められているんですね。

ということで年金額は0.4%下がりましたが、嬉しい改正もありました。
それが在職老齢年金制度です。

今までは60歳~64歳の方の中で働きながら年金をもらっている人について、合わせて月額28万円を超えたら、
超過額によって年金の支給を停止するという決まりがありました。
現役の人くらい稼いでいるんだったらちょっと年金減らさせてね、ということです。
65歳以上になると少し優しくなり、合わせて停止が始まる額が47万円超からになるというルールでした。

ですがこれが60歳以上も65歳以上も、全員47万円超からの支給調整に変更されました。
60歳から65歳の方の勤労意欲が増すことが期待されます。
既に企業の定年も2025年からは65歳以上が義務化されることが決まっているので今までのままだと都合が悪いですよね。

年金制度は貯金ではなく、世代間の仕送り、支えあいです。
とは言え、今のところ金融商品として見ても優秀(byひろゆき氏)な年金制度。
最低限の備えとして利用しつつ、長く収入を得られるような仕事選びや投資、貯蓄とバランス良く考えていけると良いのでしょうね。

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