先日、尊敬する大先輩社労士先生とお会いしてきました。
お話する中で学びが大変多くありましたが、
特にスタッフ育成について感銘を受けたお話をご紹介したいと思います。
その方は多くの企業の人材育成に携わっていらっしゃるため、
会社の外部から人材育成フォローをする難しさについてご相談していました。
そこで言われたのが、
「自分たちで考えて問題を解決できるようになるのが一番強い」
という事でした。
要するに、働く上での不平不満は必ずある。
それが出ない職場の方が不健全で大爆発が起こる可能性が高い。
不平不満を聞いたうえで、優先順位をつけて、自分たちでできる事を考えてもらうのが職場環境の改善、
スタッフの育成の両面から見て近道。
というようなお話でした。
介護職員さんからの不満、たくさんあります。
・人材が少ない。
・スタッフの〇〇さんが仕事をしない。
・入浴介助で腰が痛い。
・ご利用者の△△さんの暴言がヒドイ
それを聞いた管理者さんはどう考えるでしょうか?
まじめな管理者さんにありがちな思考回路は下記のようなものではないでしょうか。
・人材が少ない。→採用しなくちゃ
・スタッフの〇〇さんが仕事をしない。→〇〇さんに注意しよう。
・入浴介助で腰が痛い。→しばらく他の人に代わってもらえるように頼もう。
・ご利用者の△△さんの暴言がヒドイ →△△さんの対応は自分が代わろうか・・・
これって、結局管理者さんだけが苦しむ構造になっているんですよね。
この役割が社長さんに集中する会社もあるかもしれません。
こういう状況が進んでいくと、管理者さんは日に日に仕事が増えていきます。
そして介護職員さんの思考回路としては、
「管理者に言えば何とかしてくれるから、嫌な事があったらどんどん伝えよう」
となって、自ら改善しようとする意識が薄くなっていきます。
という事を書きながらも、実際にやろうとすると難しいですよね。
だって、管理者さんや社長が考えて指示を出した方が早いんですもん。
無駄な軋轢も起こさずに済むし。
でもそこはぐっと我慢。
一人で難しければ、会議の議題にしてみるなど、とにかく「自分たちで事業所運営をしていく」という意識をつけていく事が超重要だな、と。
今思えば、以前書いた私がデイサービスの管理者だった時に退職してしまったパートさんは、
まさにこの「管理者に言えば何とかしてくれる」という考えにはまってしまっていたのではないかと。
そして、数十個の要望のうち、2~3個に対して満足する答えを返さなかったことで
「言ったのにやってくれなかった」という失望をして退職していってしまいました。
普段言われた事を何とか解決しようと頑張っている管理者さんこそ
この過ちにはまりやすいのではないかと、過去の言い訳のようですが改めてそんなことを感じました。
問題が起こった際には「ではどうしたら良いと思うか」をセットで考えてもらう訓練。
介護事業所の1on1面談を勧めている中で何か気持ち悪さがあった点が多分ここでした。
1on1で不満を聞いて解決してあげる、ポジティブな話をする。
それはそれでモチベーション維持にはなるかもしれませんが、足りなかったのは多分
「事業所の問題を解決する力」の育成だったのではないかと。
そんなことを強烈に気づかせていただいた先輩に感謝です。
これからそれを実践的に検証していきたいと思っています。