人材派遣について、実は法律で禁止されている事業があります。
・建設
・港湾運送
・警備
・病院等での医療関連業務
・士業
これらの事業は人材派遣そのものが違法です。
個人的にここに加えた方がよいと思っているのが介護事業。
特に介護保険上で定義され、公費を財源とする介護サービスについては禁止されるべきだと思っています。
というのも、介護の人材難の昨今年々紹介料は上がり、年々派遣介護スタッフの時給は上がっています。
こうなってくると小規模の事業者にしてみると簡単に手が出せません。
それなのに、派遣の方が条件についてわがままが言えたり、手元に入る時給が高かったりと、求職者が安易にそちらに流れている現状があります。
そして介護事業者が受け取った介護給付費が人材会社へ流れる。
つまり、私たちが負担している介護保険料や消費税の増税分やその他税金を財源とした国のお金が、
人材会社へ流れる仕組みとなってしまっているということです。
特に私が住んでいる千葉県北西部は、すぐ隣に東京都があることで賃金設定が非常に難しい地域です。
最低賃金は東京都1041円に対して千葉県953円。
住んでいるのが松戸市でも、江戸川を渡れば100円近く時給が高いんですから特にパートだったら
東京に行った方がお得感があります。
それでも介護保険のサービスの利用料は事業所の所在地によって地域単価が決まりますから、
入ってくるお金は同じサービスでも違いますので、時給で勝負することは困難です。
介護職員の慢性的な不足に、需要と供給のバランスが崩れに崩れています。
派遣会社の平均的なマージン率は25%~30%と言われているようです。
直接雇用→時給1200円 派遣→時給2000円(内、労働者へ1500円)のような事が起こっています。
でも、全員の給与を時給1500円にしてしまうと人件費率が上昇し、事業が成り立たない。
直接雇用スタッフの時給は上げられない。
派遣の方が時給が高いと知ったスタッフが退職し、派遣に流れる。
介護事業所内で、給与を教えあうスタッフさん、割と多いです。。。
無理に給与を上げるのではなく、
地域密着型通所介護であれば人件費率60%程度を上限に余裕を持って設定し、
事業所の特色や働きやすさなどを追及していくことが大事だと考えています。
介護の派遣が禁止されないまでも、収益の上昇を伴わない人件費の高騰を抑える術はないものでしょうか。
日本の現状『人件費の上昇を伴わない物価の高騰』と反対の事が介護業界では起こっています。