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人事評価制度の失敗(前半)

顧問先の会社さんからご相談いただき、今まさにこれから人事評価制度を作ろうとしているところで改めて勉強しなおしています。

前職でも現場スタッフ向けの評価制度作りには長年関わってきました。
初期はまだ事業所数も少なかったのですが事業所数が増えていき最終的には50か所程度の拠点スタッフ総勢400名ほどになっていきましたので、年々制度も変化していきました。

その時の失敗談を自分への戒めとして思い出しながら書いておこうと思います。
同じ轍は踏まないぞ!
ずいぶん昔の記憶もありますので、事実と違うところもあるかと思いますが関係者の方ご容赦ください。

【初期】
入社当時は事業所数がまだデイサービスのみ5つくらいでした。そのころは特に評価制度、なんていうものはありません。
運営責任者や社長とも距離が近かったために、「あいつ、できるな」と思われると昇進の話が来るといった、『鶴の一声評価』でした。

特に不満もありませんでしたが、昇進=管理者OR本社だったので、現場で頑張りたい人は置き去りになっていました。

【導入期】
まずは1年に一回評価を行い、結果を給与に反映するという事をやり始めました。
30項目ほどある評価項目に対してまず全職員が自己評価を行い、それを元に各事業所の管理者が評価を行いそれぞれと面談します。
そこで出した点数の高い順からA評価(大幅昇給)、B評価(普通に昇給)、C評価(給与変動なし)、D評価(給与マイナス)とする予定でした。

ところが、回収した評価シートを集めてみてびっくり。
事業所ごとに明らかな差があったのです。
つまり、松戸店の管理者はスタッフに厳しく全体的に低い点数。それに比べて市川店の管理者は優しすぎて満点近い点数ばかり、というような事が起こりました。

今考えてみれば当然なのですが、あの時の愕然とした気持ちは忘れられません。
結局、事業所の平均得点を出して低い事業所に下駄をはかせる形で調整しましたが解決できない問題がたくさんありました。

①自己評価が低い人の点数は管理者評価も低くなりがち
②逆に自己評価が高すぎる人は管理者評価も高くなりがち(面談で下げれない)
③社歴の長い人は評価が高くなりがち(管理者が遠慮する)
④管理者によって点数のばらつきに差がある。大体みんなB、という評価をしている拠点が多発。

そうなんです。
この時の明らかな失敗は、評価をする側(管理者)の育成をしていなかったのです。
残念ながらこの結果をそのまま当てはめる事は難しく、結局当時のエリアマネージャー達と一人一人結果が妥当かどうかを検討し調整を加える事になりました。
何のための手間だったのか!!

【改善その①】
管理者に対しての再度の説明を行い、評価の内容も変更しました。
会社から求める項目だけでなく、個々の目標を年度初めに立ててもらい、その達成度も評価対象とする事にしたのです。

人事評価制度を職員育成に役立てようという意図がようやく見えてきました。
そしてその他の評価項目についても厚労省が出している職業能力評価シートを使う事にしました。天下の厚労省だけあって、とても分かりやすく判断基準についても明確に説明してあります。

結果は、改善されたのは社歴に左右されにくくなったくらいで、管理者ごとの点数の高低差やばらつきの差は全く改善されませんでした。
そして肝心の個々の目標については年度末にはすっかり忘れているスタッフが多発。トホホな結果に終わりました。

というところで長くなりましたので後半に続きます。
この後も失敗談が続きます。

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