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アルツハイマー新薬について

アルツハイマーの新薬承認!
というネットニュースが目に飛び込んできたので調べてみました。
(医療知識のある専門家ではなく、素人が調べた範囲での記載ですのであしからず。。。)

その名は「アデュカヌマブ」。6月7日にアメリカで承認されたばかりです。
そう、承認されたのはアメリカ。日本国内ではまだ承認されていません。
現在申請中で、今年中に承認されるかどうかというところのようです。

私がデイサービスで勤務していた約10年前。
アルツハイマー型認知症の薬といえはほぼ「アリセプト」一択でした。漢方の抑肝散なんかはありましたが。
その後、シールタイプのパッチ薬も見かけるようになりましたが、基本的にはこれらは
「コリンエステラーゼ阻害薬」という種類でメカニズムは一緒です。

神経伝達物質アセチルコリンを増やすために、
アセチルコリンを分解する「アセチルコリンエステラーゼ」の邪魔をしてくれるお薬です。
伝達物質が増える事により、認知症の進行スピードを遅らせる事を目的に処方されます。

今回のアデュカヌマブは全く違うアプローチでアルツハイマー型認知症に作用します。
アルツハイマー型認知症が進行した方の脳みそにはアミロイドベータと言われるタンパク質のごみが溜まっています。
このアミロイドベータが脳みそを傷つけ、傷つけられた細胞が死滅し脳が委縮してしまう事で認知症が発症する。
だったらこのアミロイドベータを掃除してしまおう!
と、お掃除ロボットルンバのような役割を担ってくれるのが新薬アデュカヌマブだそうです。

ルンバは表面のごみは掃除してくれますが、劣化した床を張り直してはくれません。
つまりアデュカヌマブは萎縮が進んだ脳を元通りにはしてくれないのです。
症状が現れるのは脳が委縮してから。
じゃぁ意味ないじゃん!と私も思いました。
リビングならともかく、脳内でごみが溜まったかどうかなんて見えないですよね。

そう、見えなかったんです。今までは。
実は既にベータアミロイドPET検査というものができ、脳の中のごみを可視化する技術が実用化されていました。
但し、保険適用外のため金額は約30万円~60万円前後と高額です。
他には血液検査でスクリーニングする方法が開発され、これも今年中の承認を目指しているそうです。
承認されればベータアミロイド検査がグッと身近になりますね。

今回のアメリカでの承認には、実は専門家チームは反対していたのに意見が聞き入れられなかったとか、
それを不服として諮問委員の3名が辞任したとか、色々な話があるようです。

さて、全く話は変わりますがアルツハイマーについて調べている中で、興味深い話を目にしました。
アメリカの修道女678名を対象にした研究で、脳萎縮が認められるのに全く認知症の症状が出ていなかった人が8%いたそうです。
この8%の人たちの共通点は、毎日規則正しい生活を送り、ボランティア活動などの役割を持っていたという事。
少数の研究なので何とも言えませんが、介護職としてはとっても希望のある話だと感じたのでご紹介しました。

薬の開発にも色んなアプローチがあり、薬に頼らない生活の中でも色んなアプローチがある。
どれが良いとか悪いとかではなくて選択肢が増える事は可能性が広がる事。
介護の現場からも可能性を示せると良いですね!

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