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なぜ仕事をするのか その2

前回は「仕事=楽しい」という事について書きました。

今回は、お給料が上がると楽しくなくなるという事について書いていきます。
正確には、「評価された結果お給料が上がる事で、仕事そのものを楽しめなくなってしまう事がある」という事です。

会社として頑張ってくれた社員への評価を表すのは報酬、お給料です。

余談ですが、以前勤めていた会社で役職が変わり昇給があった時に社長から
「会社は結局給料でしか感謝を表せないからね」
と言われてグッときた事があります。

でもこんな粋な事をさらっと言える社長は少ないと思います。

言えない結果どうなるかというと、仕事の目的が評価をされてお金を多くもらう事にすり替わってしまうという事が起こります。

アンダーマイニング効果と言って、もともと楽しんでやっていた遊びに賞金を設定される事で、目的が賞金にすり替わってしまい、賞金が廃止されると元のように楽しめなくなるという事が心理学者デシの実験結果として立証されています。

こどもの場合には「勉強したら○○をあげるよ」という報酬を設定する事は良くないと言われて久しいのに、大人の世界は評価によって昇給するという仕組みが未だに広く使われています。
「契約○本、ノルマ達成でボーナス」なんていうのは良く聞く話ですよね。

そして介護保険制度ではこの仕組みが2重になっていて「キャリアアップ制度」で長期間の在籍や資格取得や客観的な評価(!?)によって社員の給料を上げる事で、事業者にボーナス(処遇改善加算)があります。

「ご利用者に喜んでもらえた結果お給料が上がる」
というのは問題ないように思いますが、

「お給料が上がるからご利用者を喜ばせる」
といつの間にかすり替わり、最後には

「お給料が上がらないならご利用者を喜ばせる事はしない」
となってしまう危険性を孕んでいるのではないかと感じてしまいます。

テーマに戻ると
「お金がもらえるから」する仕事と、
「人の役に立てる事が楽しいから」する仕事。

どちらが本人にとって幸せで、どちらの結果が良いかは明らかです。

以上のような考えから、私は『働く人のマインドを後者に向けつつ、会社は感謝として報酬をきちんと支払う』事を理想のカタチと考えています。

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