訪問介護ヘルパーさん(スタッフ)の確保ができずに閉鎖する事業所の話を立て続けに2件聞きました。なお、顧問先企業様ではありません。
長く運営してきて、20名程度のヘルパーさんがいたのに高齢化でどんどん戦線離脱して
最終的には常勤2.5人が満たせなくなってしまった事業所もあるそうです。
千葉県の訪問ヘルパーさんの求人相場を確認しようとタウンワークを開いて唖然としました。
身体介護時給2,000円超の求人が何件も・・・
訪問介護の介護報酬は身体介護の場合20分未満167単位、30分未満250単位、1時間未満396単位と決められています。
事業所によって各種加算がある場合もありますが、基本はこれらに1単位10円~11.4円を掛けた金額が事業所の売上となります。
1時間で396単位、×10円でも3,960円売上があるんだったら時給2,000円払っても、何なら3,000円払っても良いような気がしますよね?
訪問介護で、介護保険サービスとして算定できるのはあくまで利用者宅で介護を提供した時間のみ。
つまり、移動時間や事業所で書類を作ったり会議を開いたりする時間は売上は立ちません。
特に移動時間については売上になりませんが、利用者A様の自宅から利用者B様の自宅までの移動は拘束時間ですので少なくとも最低賃金以上の給与支払いが必要です。
つまり、移動時間を少なくしてサービスの時間割合を増やせるようにスケジュールを組めた事業所さんはある程度時給を高くできるという理屈になります。
そのためには密集したエリアでたくさんの利用者様を担当し、スタッフ数も多く対応できるようにする必要があります。
サ責や管理者もしくは事務専属のスタッフが事務負担を担い、パートさんはとにかくサービス提供に当たれるような仕組みづくりも不可欠でしょう。
となると、訪問介護事業者は利用者が多い地域で大きな規模で運営している会社が残り、
その他の効率化できない事業所は継続していくのが難しくなってきているという状況なのでしょう。
そういった事業所さんも既存のご利用者さんにとっては無くてはならない存在である場合も多く、
遠方だからといってサービス提供者がいなくなってしまうようなことがあれば介護保険サービスとしてはいかがなものかと思います。
訪問介護の人員確保については引き続き考えていきたい問題です。