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虐待疑い時の対応(前半)

色んなご利用者、色んなご家族がいらっしゃって、それぞれの関係性があります。
もちろん円満にいっている家庭ばかりではありませんでした。
虐待を疑って対応をしなければならない場合もありました。
その中でも、いまだに正解を見つけられないでいるお話です。(一部脚色しています)


ご利用者大吉さん(仮名)は息子さんと団地で二人暮らし。
送迎の時には息子さんはいたりいなかったり。
はじめにケアの方向性を話し合う担当者会議の際も息子さんはいらっしゃらず、ご本人との契約となっていた。

大吉さんは病気のせいで体が思うように動かせずに自分自身にいら立ってしまう事はあったが職員には笑顔で接してくれた。

ある日大吉さんが自宅から行方不明になったと連絡が入った。
訪問したが家にいないと介護のヘルパーさんから関係者へ連絡が入り、皆で捜索した。

結局転んで動けなくなっているところを警察に保護され、自宅に帰ってきた。
たまたまそこに私が居合わせた。
膝に怪我をしていたので病院に連れて行ってほしいと息子さんに頼むと「分かった分かった」と家のドアを閉められてしまった。

翌日迎えに行くとご本人は家にいたが息子さんはいない。
結局病院には行っていないと言う。
とりあえずデイサービスまでお連れして、いつもの健康チェックを行うと、寒い時期に長い間歩き回ったせいか、発熱していた。

この場合、他の方への影響も考えてサービスはご遠慮いただくのが通常の流れであるが、ご自宅に戻られてもおひとりなのでケアマネジャーに相談したところ、やはりご自宅に戻っていただき息子さんに受診してもらおうという流れになった。

大吉さんを車に乗せ、ご自宅へ戻ると息子さんが出てきた。

息子「なんだよ、てめー、帰ってきたのかよ!」
萌「お熱があるようですので、病院受診をお願いできますか?」

ところが息子さんは「早く入れよ」と乱暴にフラフラしている大吉さんの腕をつかんで部屋の中に引きずり込んでしまった。

バタン!!

とドアが閉まる。

大吉さんが心配だ。
私はケアマネジャーに連絡を取った。
「そうですよね。私も夕方にでも様子を見に行ってみますよ」

翌日。
ケアマネジャーへ連絡をした。
「夕方行ったんだけど、部屋に入れてもらえなかったのよね。」
会えていないという事だ。
「私もこれから行ってみます」

大吉さんの家に着くと、ちょうど息子さんがコンビニの袋を持って帰ってきたところだった。
萌「あの、大吉さんのお熱下がりましたか?」
息子「俺には関係ないんでね。忙しいんですよ。」
萌「病院の付き添い、私が行きましょうか?」
息子「もういいから、ほっといてくれます?」

バタン!!

ケアマネジャーに連絡するも、繋がらない。
この後私がとった行動が、大事件を起こす事になる。


長くなりましたので後半へ続く。

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