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職員との関わりでの失敗談

今回は小規模デイサービスの管理者になって初めて経験した職員マネジメントでの失敗談その1です。

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女性スタッフAさんに対しての関わり方を180度間違った話。

Aさんは明るくて素直で利用者さんからも可愛がられるとても素敵な職員さん。
だけど、「記録」や「連絡帳記入」が苦手。
何度か注意をしていたがどうしてもうまく書けなくて、トンチンカンな文章になってしまう。

ある日の事、送迎に行くとご家族から「昨日の連絡帳が良く分からなかったんだけど」と言われてしまう。

その日たまたまあった職員会議の場で、
「Aさん、デイでの様子をご家族に伝える事も大事な仕事だよ。なんで書けないの?」と皆の前で指摘してしまった。
するとAさんはみるみるうちに泣き出してしまい、会議は中断。
「いや萌さんキツすぎじゃない?」「酷くない?」と他スタッフ。

とりあえずその場は何とかなだめて、最低限の会議だけをやって終了解散。
頭をクールダウンさせて考えた。

こうなってしまった要因は、職員の個性を受け入れて伸ばす努力を全くしていなかった私にある。
AさんにはAさんの良い所がたくさんあるのに、私はできていない一部だけを取り上げて指摘してしまった。

私は連絡帳の書き方の指摘をしただけのつもりだったけど、私はAさんの良いところは言葉に出して伝えた事はない。
もしかしたらAさんは介護職員不適の烙印を押されてしまったような気持ちになっているかもしれない!

数日後Aさんに謝罪し、いつも人知れずやってくれている掃除の事や、率先して行ってくれている入浴介助が評判の良い事、いつも施設内のムードメーカーになってくれている事についての感謝を伝えた。
Aさんは優しい人で快く受け入れてくれて和解となったが、あのまま心を閉ざされてしまっていても仕方なかったと思う。

スタッフとして働いている人は色んな人がいて、それぞれの得意不得意があって当たり前。
人にはどうしても合う、合わないがあるのでご利用者全員から好かれる人なんていない。だから色んな職員がいる事はかえって施設の強みになる。

「最低限このレベルまではやってもらわないと困る」
なんて言っていたけど、一つの施設としてそのレベルまでやれていれば良いだけの話。
できない事にフォーカスするのではなく、できる事を認めて伸ばしてもらう事の方が本人も周りもストレスが少ない。
自信が十分について、信頼関係が十分できてから、少しずつ弱点は克服していけばいいじゃない。

と、そんな風に考えた事を他の職員さんに伝えてみたところ、
「私もそう思いますよ。連絡帳はAさんが書いた時は私も確認するようにしますね。Aさんが落ち込んでたら施設が暗くなっちゃうから。」
と言ってくれた。

苦手は補い合えば良い。
仕事をする上での『チーム』という概念が自分の中でようやく芽生えた瞬間だった。

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管理者になってすぐの頃、焦りもあっての大失敗でした。
今でも時々、悪い事をしたなぁと思いだします。

「相手の気持ちを考えて言葉にしようね」
なんて、6歳の我が子だって知っている事なのに。

今回は結果的には許してもらえて、その後も長く施設の力になってくれた職員さんのお話でしたが、分かり合えないままだった職員さんも中にはいました。

そんな時のお話もまた機会を改めて書きたいと思っています。

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