前回に引き続き早稲田大学菊池教授のリモート講義を受けている内容から。
社会保障の中で最後のセーフティネットと呼ばれる生活保護について。
驚いたのが、現在生活保護受給者の半数以上が65歳以上の高齢者だそうです。
そして、今の生活保護法の運用では65歳になったら就職指導は打ち切りになっています。
つまるところ、生活保護を受給している65歳以上の方はそこから自立へと向かうのがとても難しいのが現実です。
定年の70歳への引き上げが段階的に進んでいく中で、おそらく生活保護法の就職指導についても引き上げになっていく事が予想されます。
しかしいくら定年が引き上げになったからと言って、既存の社員に長く勤めてもらう事は歓迎でも65歳以上のスタッフを新しく雇い入れる事に積極的な会社がどれくらいあるでしょうか。
単純作業であれば機械が担い、日雇いの体力仕事は若い人が、となると生活保護を受給しているシニア世代が活躍できる環境とは何か。その環境を整えることで変化が起きそうな気がしています。
対象者は全く異なりますが、子育て中の女性を対象としたケースでこんな例がありました。キッズスペースを完備して安心して子連れ出勤できるコールセンターを開設したところ、高くない給与でも優秀な人材が殺到したというモデルです。
これは潜在的な能力をもった人材を、働くための障害を取り払う事で集めたケースで、やはり働く環境の側を整える事で成功しています。
障がい者・高齢者・子どもの子育て中・家族の介護中。働けない理由はいくらでも挙げられるけど、働きたい人が働ける世の中にしていかないと。
1億総活躍社会、と安倍元首相が言っていたように労働人口の確保というマクロの視点も大事でしょうが、個人単位のミクロの視点でもやはり働く場所があるという事は大事。
例えば生活保護を受給する高齢者にとって、働く事で金銭を得る事はもちろん大きな事ですがそれ以上に、特に高齢者単身世帯や高齢者夫婦のみの世帯において、仕事を通じて社会と繋がるという事がものすごく意味のある事だと思っています。
それまでの人生経験を活かして、プライドを傷つける事なく働ける環境とは何だろうと、具体的にはまだ閃いていないのですが毎日もやもやと考えています。
という事で、生活保護の話から高齢者雇用問題について、具体案の無い中で書いてしまいましたが何か閃いている方がいらしたらご連絡いただけると嬉しいです。