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現場を離れる事への葛藤

管理者だった頃、当時の上司から複数拠点のマネージャーになる事を打診された時の話をさせていただきます。
デイサービスの現場が大好きだった私がなぜ現場を離れる事になったのか。
思い出しながら書いてみたいと思います。

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上司「ウチの会社も事業所数増えてきたし、そろそろマネージャーやってみない?」

とお話をいただいた。もちろん即答だった。

萌「嫌です。まだ現場でやりたい事がたくさんあります。」

ご利用者から、ご家族から、まだまだ学びたい事がある。
それに、現場を離れたらまたあの頃の仕事ができない自分に戻ってしまうんじゃないかっていう不安もあった。

それでも現場を離れる決断をしたのは、複数事業所を巻き込んだ研修を企画して、その充実感を感じてしまっていた事と、
最終的には当時の会社の偉い人に言われた言葉だった。

「現時点で100%のマネージャーができるなんて思ってない。でも役職(役割)が人を育てると思ってるから。成長したいと思うなら、やってみなさい。」

後ろ髪をひかれる思いはあったものの、そう言われて断る事ができなくなった。

マネージャーとして何をすべきかなんて全く分からなかったけど、とにかくがむしゃらだった。走りながら吸収しろ、と良く言われた。
会社の成長は早く、私個人の成長なんて待ってくれない。

それでも自分が何のために仕事をしているのか、その答えは現場で過ごした、大変で、幸せで、濃密な時間でしっかり身についていた。

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10年弱介護の会社で働いて感じたのは、意外とこの「現場から離れたくない」人の多い事です。
でも、離れてみて思ったのは、いや、離れてないぞ、という事。

確かにご利用者との直接の関わりはたまに顔を出すときくらいになっているし、数字とのにらめっこも増えたけど、数字が悪い拠点にはそれなりの原因があってそれは結局その地域の高齢者にとって役に立つための改善だったりする。

以前勤務していた不動産会社で感じたような。
「あれ?私今何のために働いているんだろう?なんの役に立ってるんだろう?」
という気持ちはほとんど起こりませんでした。

気づいた時にはまた少し違う方向から事業所運営を見る事ができるようになっていて、振り返ってみると、正に育ててもらったなぁと感じています。

私はちゃんと自分で見て感じないと分からない、器用ではないタイプの人間だったようで、それでも介護現場でたくさん感じさせてもらったことで10年経った今でも使命感のようなものが枯れる事なく湧き出ています。

今の私の使命は介護の仕事の楽しさを、一人でも多くの介護スタッフに感じてもらう事。
今働いているスタッフはより楽しくやりがいと目標を持って働けるように、
そうでない人には、介護の仕事って楽しそうだよねって言ってもらえるように、
できる事をひとつづつ、やっていこうと思っています。

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