私は千葉県松戸市で社労士の開業登録をしていますが、松戸市は柏市、流山市、野田市、我孫子市と一緒に千葉県社会保険労務士会東葛支部という単位に組み込まれています。
そして東葛支部の中に「東葛介護研究会」なるものが存在することを知りました。活動方針としては「介護保険制度・業界の基本を理解し、介護を取り巻くあらゆる相談に対応できる社会保険労務士を目指します。」というもので、実際に介護の会社に所属されている方だったり、顧問先に介護関係の会社があるという方だったり、単に興味があるという方だったり、色々な社労士さんが参加されているようです。
で、つい先週ZOOM会議で開催されるという事で参加させていただきましたので今回はその内容について少しだけご紹介させていただきます。
色々な議題について発表があったり、経験談や見解を皆でお話したりという会でしたが、その中で訪問介護の移動時間についての話が出ました。
最近また厚生労働省から通知があったそうですが、実態としてまだ移動時間を休憩時間扱いにしている会社が多数あるという事に驚きました。
特に訪問介護はパートさんが多い業種ですので、勤務時間か休憩時間かによって大きくお給料が変わってくる事が考えられます。
法律を守っている会社さんでは、移動時間については別に給与設定を設け、その地域の最低賃金で計算するという会社さんも多いようですね。
訪問介護に限らず、介護事業はほとんどの場合かかった時間に応じて決められた報酬があります。そして必要な人数も決められています。
一般企業であれば作業の効率化や売り方で利益を出す事ができますが、介護事業ではその方法が限られています。
価格競争もできない中で企業努力として何ができるかと言うと、
①介護の中身、質の向上によってお客様を安定的に確保すること
②体制を整える事によって加算を取得すること
③保険外の事業を付加価値として提供すること
こういった方法が考えられます。
決して、「介護労働者の賃金を違法に削減する」という方法で利益を残そうとしないでほしいと強く思っています。
もう一つ、生活保護制度についても専門的に取り組んでいらっしゃる先生が研究会に参加されていてこんなお話がありました。
平成29年から、老齢年金を受け取るために必要な資格期間が25年から10年に短縮されています。
意図としては、25年も払えない、もう払っても満たせないから払わない！という層にも10年払えば老齢年金を支払うから、掛け金を頑張って払ってもらおうという事です。
そうなると、老齢年金をもらえる人の裾野は広がる一方で、10年しか払い込みをしていない人の老齢年金は少額で他に全く収入や蓄えが無い場合には生活ができない人もでてくるだろうと考えられます。
経済的に困窮した時の制度が生活保護法ですので、老齢年金と生活保護費を2つ受給する人も増えてくる。
そうなってくると、社労士は年金の専門家であり社会保障の専門家ですから収入になるかどうかは別として、何か助けになる事ができるのではないかというお話でした。
以前も書きましたが、生活保護の受給者のうち半数以上は既に65歳以上の高齢者ですから生活保護制度についてももう少し詳しく知っておく必要があります。
制度に詳しくなるという事と、実情を知っている先生方との繋がりができるというところで非常に有益な2時間でした。
支部活動や他の社労士との連携について否定的な先生方もいらっしゃいますが、
大変幸せな事に周囲の方々に恵まれとても良いお付き合いをさせていただけています。
私自身も今はお世話になってばかりですが、いつか周囲の方のお役に立てるように精進していきたいと思っています！