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時事ニュース 認知症患者転倒について

兵庫県立西宮病院で2016年に起こった事故について病院側の過失を認める判決がでました。

87歳の認知症患者が看護師に付き添われてトイレに行き用を足している間に
当該看護師が他の患者に呼ばれて介助をしている間に認知症患者が転倒。
怪我により寝たきりとなり、2年後に他界したそうです。

男性家族は2,575万円の損害賠償を求め、532万円の支払いが命じられました。

このニュースを見て、まず思い出すのはデイサービス勤務時代に発生した転倒事故のことです。
同じく認知症の高齢女性Oさんを私が手引き歩行でトイレにお連れし、
その間に他の認知症高齢者に呼ばれて対応している間に最初の方がトイレから出て転倒しました。

そうです。
今回のニュースとほぼ同じ状況でした。
その転倒により腕を骨折されたOさん。
転倒した事も忘れてしまわれるので、腕のギプスを不思議そうに眺めたり、
時折痛むのか悲しそうな顔をされている姿をこちらも胸が張り裂けそうな気持ちでしばらく過ごしました。

それでもご家族は「家に居たって転ぶときは転ぶんですから。トイレまでも運動だからね。」
と一切事業所を責める事なく、今まで通り過ごして欲しいとお話してくださいました。

転倒リスクが予測されるから尿意・便意があるのにトイレではなくオムツに排泄してください。
そんな病院に入院したいでしょうか?
そんな施設に通いたいでしょうか?

そうならないためにも、事前に転倒リスクについても説明し、
事業所としてのスタンスを明確にしておく必要があります。
最大限の注意は払うけれども転倒はするかもしれない。
その説明があって、納得して事業所を選んでいただけていればご家族の心証も幾分違ったのかなぁと。詳細が分からないので真相は分かりませんが。

全ての介護職、看護職の方が安心して利用者様と向き合えるよう、
同様のニュースが流れてこない事を願っています。

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