事業を行っているとどうしたって労働災害や通勤災害はつきものです。
特に介護事業では、無理な介助によるぎっくり腰、訪問介護の移動中の事故などが起こりやすい災害と言えるでしょう。
事業所としてはどこにリスクがあるのか、どのように災害を回避するのかはもちろん大切だとして、
起こってしまった後の対応について書いてみたいと思います。
「労災って申請しない方が良いって聞いたことがあるんだけど・・・」
と心配される社長様も多いです。
その理由としては、
①労災保険料が上がるんじゃない?
②労基署から目をつけられるんじゃない?
このあたりが多いのではと思いますが、いずれも誤解です。
①については労災には確かに「メリット制」という制度があり、それぞれの事業所の労災保険収支によって保険料が上がったり下がったり調整する仕組みがあります。
ただ、これはあくまで100人以上の労働者がいる会社様でのお話。
厳密には他にも要件があるのですが、介護事業では100人以上の労働者がいる会社さんだけと考えてほぼ間違いないでしょう。
それに、メリット制は過去3年間の収支で判断され、上限も40%(一部45%)の上乗せと決まっています。
自動車保険のように入れなくなる事も無ければ、保険料が数倍に膨れ上がる事もありません。
②については、同じ労働災害が何度も繰り返されているようであれば確かに労働基準監督署の調査は入るかもしれません。
ただ、調査に入られる事で問題点を明らかにして今後の事故を防止する手助けになります。
逆に、労災隠しが発覚する方が大変な問題になります。
では、実際には発生していた労働災害を報告せずにいると・・・
・労働者から訴えられるリスク
・発覚した後補助金等が受けられなくなるリスク(欠格要件)
・50万円の罰金に処せられる可能性(死傷病報告をしなかった場合)
・取引先、他スタッフからの信頼の失墜
などなど、良い事はありません。
以前あった事例ですが勤務中にアクシデントがあり怪我をしてしまったスタッフさんの労災申請を担当しました。
最終的に傷が残ってしまったという事で障害認定され、日給×56日分の額がご本人に支給されたとご報告いただきました。
怪我をしてしまった事は大変に残念な事ですが、それでもまとまったお金が入る事で少しはスタッフさんも報われますし、隠さずに労災対応をしてくれた会社(社長)に対して感謝のメッセージが届いたそうです。
私としても手続き大変だったけどやって良かったなぁとしみじみ思いました。
労働災害は起きないのが一番ですが、万一の時には迷わずに報告しましょう!
介護事業所での労災申請に悩んだら是非佐々木までご相談ください。