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介護保険事業計画について

GWでうっかり先週の更新を怠ってしまいました・・・。
実家への帰省もでき、グループホームの祖母にも、93歳一人暮らしの祖父にも会え、子どもも思う存分遊べたようで、充実したGWとなりました。

さてGW前の先月26日、社労士会東葛支部の介護研究会で「介護保険事業計画」についての発表をさせていただきました。

以前松戸市内の地域密着通所介護事業者さんから「定員増やしたいんだけど、実地指導でついでに聞いたら事業計画に無いからダメだって言われたんだよねぇ」という話を聞いたためです。

そこで「事業計画」ってなんだっけ?と思った事がきっかけで、今回の発表をさせていただきました。

東葛支部の勉強会ですので柏市と松戸市をピックアップ、
比較してまとめつつ、諸先生方からのご意見をいただく形で進行しました。

人口の規模、構造、高齢化率などは似ている柏と松戸ですが、
それぞれの市が力を入れている事は微妙に異なるために力を入れたい事柄によって
統計資料が作成されているのが面白いと思いました。

柏市は「第8期柏市高齢者いきいきプラン21~柏市地域包括ケア計画~」
松戸市は「いきいき安心プランⅦまつど」
という計画名で、それぞれHPに掲載されていますので興味がある方は自身の住んでいる市町村や事業運営をしている地域のプランは確認してみると面白いかもしれませんね。

それぞれ読み込んでみるのが一番ですが、私なりの解釈ではこんな感じかなぁとぎゅう~っとしたものを書いてみます。

柏市が注力したいのは、重度介護者を在宅で支える仕組み作り。
重度介護者を支える仕組みとして看護小規模多機能型居宅介護(通称かんたき)と定期巡回・随時対応型訪問看護介護をそれぞれ2か所ずつ増やしたいというのが計画に入っていました。

松戸市が注力したいのは、認知症と独居世帯への対応。
『認知症高齢者』の定義が違うのでは疑惑はあるものの、柏市の8,934名に対して松戸市は約1.9万人と倍近い数字が掲載されていました。
(ちなみに人口は柏市約43万、松戸市約50万人です)

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の数も柏市は現状495床で36~54床増やす計画に対して、松戸市は現状649床で54床増やす計画になっていました。
確かに、一人暮らしの認知症高齢者が多ければグループホームも多く必要になりそうですよね。

そして松戸市の事業整備計画の欄外には※印で
「地域密着型通所介護は、供給が需要を上回っているため、引き続き原則として新規指定は行いません」
という記載がありました。

「指定を受理するか否かの決定権限について、行政法上の何を根拠にしているのだろうか?」
というある先生からの疑問にその時はお答えする事が出来なかったのですが、のちに調べてみたところ
平成29年5月26日、「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」
で介護保険法第78条の2が改正され、市町村介護保険事業計画において定める見込量に既に達している等の場合に該当すると認めるときは、指定をしないことができるようになった事が分かりました。

今回、専門でも何でもなく、まさに付け焼刃のまとめで拙い発表をさせていただいたわけですが、
それにより思いがけない法的な視点からの指摘をいただいたり、
施設系サービスや訪問系サービスの専門の先生方からも行政とのやり取りの現状を教えていただいたりと、とても学びの深い時間になりました。

一人で勉強してまとめているだけでは気づかなかった事がたくさんあり、
アウトプットして他の方からの意見をもらうことで深まる学びの楽しさにわくわくしました。

準備はそれなりに大変ではありましたが、やって良かったです!
興味がある方は資料提供いたしますのでお気軽にご連絡ください。

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