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介護プロフェッショナルキャリア段位制度①

知人の介護経営者様から、「自治体からこんなメールが届いたよ」と情報をいただきました。
見てみると、「アセッサー講習のお知らせ」でした。

アセッサー講習、6~7年前に当時の管理者さんに受講してもらった事があるなぁとぼんやりと思い出しながら、リンクをクリックしてみました。

『アセッサー』とは、『介護キャリア段位制度』の中の一つの役割で、評価基準を活用し、介護職員を評価する人の事です。
『介護キャリア段位制度』は、介護職員の人材確保と定着促進を目的に平成24年度に創設された制度です。

キャリア段位制度の目的は下記のように記されています。
『事業所や施設ごとに独自に行われている職業能力評価に、「キャリア段位」という共通のものさしを導入することで、介護分野での人材育成・定着促進を目指します。』

つまりは、介護職員の統一された評価基準を導入する事が人材育成につながるでしょうという事でした。
ところが資料を確認すると思うように普及が進んでいない現状があるようです。

2019年時点の全国の介護職員は約211万人と言われています。
評価者であるアセッサーの数は今年の3月末時点で26,772人、約1.3%。
ここまではまぁ良いのですが、そのアセッサーから評価を受けて認定した介護職員の人数は7,497名、約0.35%だそうです。

アセッサー(評価者)の数よりも、評価を受けたレベル認定者の数が圧倒的に少ない状態となっています。
認定されたアセッサーがレベル認定を行うので、制度の開始当初は想定していた結果だと思いますが、
制度開始から既に10年目。予想よりも厳しい状況なのではないでしょうか。

原因は色々ありそうですが、私が考えるのは下記の3点です。

①人員不足で評価どころではない。
たぶんこれが一番大きいでしょう。とにかくシフトを何とか作るのに必死で、余計な事に割く時間が無いのかな、と。

②職員側に評価されることへの反発がある。
人事評価をするときに起こりやすい問題の一つに、そもそも(あの人から)評価を受けたくないという事があります。
また、ちょっと独特なのですが評価された結果報酬が上がる事に対して「お金のためじゃないのに」と拒絶感を感じるスタッフもいました。
そこまででなくとも、評価制度を導入する前は仕事自体を楽しんでいたのに、評価される事で目的が評価される事にすり替わってしまう、というのは良くある話です。

③評価内容が事業所の現状に合っていない。
評価項目は、「こうなってほしい、ここを大事にしてほしい」という成長の道しるべでもあります。
全介護職員に通じる評価項目は、結局誰から求められているのか分からない評価項目です。
これだけを評価の基準にすると体温の感じられないものになってしまうし、かと言って追加で独自の項目を追加するには手間もコストもかかる、というところでしょうか。

長くなりましたので次回に続きます。

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