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高年齢者雇用についての研修

社労士会主催で開催された『高年法改正と均衡均等待遇時代の高年齢者雇用の処遇と実務』という題する、弁護士先生からの研修を受講しました。

正直内容が少々難しく、理解しようとして脳みそがオーバーヒート状態になってしまっていたのですが、
特にその前提となるお話の部分が興味深かったので(そこしか理解できていないわけではない!はず)
日本の働き方と年金制度、定年制の関係について学んだままに書いていきたいと思います。

先生曰く、「新しい働き方が浸透していくことで、定年制という制度自体が役割を終えるだろう」
という事をはじめにおっしゃっていました。
はて?その心は?

平成28年11月の長澤運輸事件の高裁判決が答えをもっていました。
判決文はこんな風に始まります。

「我が国において、安定的雇用及び年功的処遇を維持しつつ賃金コストを一定限度に抑制するために不可欠の制度として、期間の定めのない労働契約及び定年制が広く採用されてきた・・・」

つまり、定年制は年功序列、終身雇用という日本の労働環境において、コストがそれ以上かからないようにするために必要とされてきたものである、という事です。
給料が高くなってしまった高年齢層を退職させて全体のお給料を減らす、という事ですね。

『メンバーシップ型からジョブ型へ』『同一労働同一賃金』というスローガンで進んでいる現代においては、
仕事に対して賃金が決まるのであって継続勤務年数や年齢は関係なくなっていくのだから、
あまり定年制度そのものが意味をなさなくなっていくだろう、という事でした。

定年制度が法律で決まったのは実は1994年。まだ30年も経っていないんですね。
この時は60歳を下回る定年が禁止されました。
そして2004年に65歳の雇用確保措置が段階的に導入され、2012年には希望者全員の65歳までの雇用確保措置が義務化されました。

そして今年、2021年4月、70歳までの就業機会の確保について努力義務が始まったという段階です。
現時点では『努力義務』という曖昧な立ち位置ですが、それでも行政は指導できるという事になっています。
努力をしていない事業主には指導しますよ、という、言葉遊びのような状況ですね。

今回の改正が今までと違うのは「雇用確保」ではなく「就業機会の確保」であるという事。
自社で引き続き雇用する以外の選択肢として、
・業務委託契約もしくは
・社会貢献事業への従事
という選択肢ができました。

ただ、実際のところはこれらを行うためにはハードルが多く存在しているので
現時点ではなかなか困難であろうと予想されます。

衆議院選挙を目前に控え、年金支給開始年齢を引き上げるかどうかなんていう論点も注目されていますね。
従来は年金制度が先に立ち、それに倣う形で定年年齢も定められてきましたが、今回は年金制度とは無関係に定年年齢だけが改正されました。

高齢者の定義も若者の働き方も変わってきている今。
これからの時代がどんな風に作られていくのか、今しか見れない時代の動きをしっかりと見極めようと思っています。

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